ゴミ屋敷や汚部屋の片付けの仕事をしていると、毎日、たくさんのモノを捨てなければいけません。すると、ついつい「捨てる」ことの意味を考えてしまいます。
今回は、「捨てる勇気・捨てる基準」というテーマで書いてみました。
1、人生は、捨てる決断の連続
ここでは、捨てるものを「モノ」に限らず、「コト」にまで範囲を広げて考えてみます。
例えば、朝起きてすぐ会社に行くかどうか考えます。疲れが取れないし、1日中寝て過ごしたい。でも、仕事が溜まっているし、やっぱり会社に行くことにします。なんとか頑張って仕事して、昼食に何を食べるか考えます。牛丼もいいけど、カレーもいいな。う〜ん、迷っちゃうな…などと考えた結果、ラーメンを食べます。
この一連の行動は、一般的には何かを選択するということですが、言い方を変えれば、捨てるコトを決める、とも言えると思います。
まず、1日中寝るコト、牛丼やカレーを食べるコトを捨てる選択をしたということです。
人間は起きてから寝るまでに、いったい、いくつのコトを捨てているのでしょう。その上、後で「ああすれば良かった」「こうすれば良かった」と後悔するなんて…。
もう、疲れ果ててしまいそうです。
2、シンプルな「捨てる基準」を持つ
モノを捨てる動物って、人間以外にいるのでしょうか?
ライオンが、食べ終わった動物の太い骨を要らなくなったから捨てる、という解釈はできるでしょう。その場合、捨てるか捨てないかの判断基準って、とってもシンプルです。もう、食べられるところはないのですから…。
「思い出の品だから取っておこう」と思うライオンは、たぶんいないはずです。
そうしてみると、人間の「捨てる基準」って、とても複雑です。
通帳やキャッシュカードのような大切なモノがあったり、写真や手紙などの思い出のモノがあったり、洋服などのまだ使えるモノがあったりで、判断に迷うのも当然です。
捨てる「モノ」にしろ「コト」にしろ、もっとシンプルな判断基準を持てたら、生きるのがラクになるのではないか、と思うほどです。
3、シンプルな「捨てる基準」には、勇気が必要
いつまでも食べ終わった動物の骨をくわえていたら、次の獲物を手に入れることができません。
例えば、あなたが成功したいと思うのなら、「遊びに行こう」と誘われても、時には断る勇気を持たなければいけないでしょう。
何かを達成したいと思うのなら、もう一度、その最終目標の本気度を考えてみる必要があります。本気ならば、捨てる勇気を持たなければいけない時があるはずです。
大げさに言えば、「捨てる基準」は「生き方」でもある、と言えるのではないでしょうか。
4、モノを「捨てる基準」
一番わかりやすいのは、モノを「捨てる基準」です。
例えば、あなたが「汚部屋を脱出したい」と思ったとします。片付けを始めた時、どんな心の動きが起こるか想像してみましょう。
・これは何年も使っていないけど、いつか使うかもしれない
・この服は高かったから、売れるかもしれない
・来客が大勢来た時のために、今ある食器は処分できない
…などなど、様々な思惑が頭の中を駆け巡るはずです。とても複雑な判断が必要になってきそうですね。
でも、思い出してください。最終目標は汚部屋脱出です。それが最重要課題だと思うのであれば、「捨てる基準」は、できる限りシンプルに多くのモノを処分する、ということになります。
・「いつか使うかもしれない」モノは、基本的に捨てなければ、モノを減らすことはできません。
・「売れるかもしれない」と考えるのであれば、さっさと売りに行きましょう。それができないなら、シンプルにリサイクルに回す、捨てるなどの行動を取らないと、モノは減らせません。
今まで捨てられなくて、汚部屋になってしまったのです。
目標を達成するには、シンプルに勇気を持って捨てる必要があるでしょう。
5、捨てるか捨てないかは、お客さまの生き方でもある
今までお話してきたように、「捨てる基準」は生き方を反映していると思います。
モノの多すぎるお宅を片付ける時には、「もう少し処分した方が良いと思います」などとアドバイスさせていただくことも多いのですが、当然、それはお客さまがお決めになることです。
私たちは、「あまりモノを捨てない」という選択が、必ずしも間違っているわけではない、ということを意識して仕事しなければならない、と思っています。
あまりモノを捨てなくても、ステキな仕上がりにできる技術を磨かなければいけません。
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