暮らしやすいお部屋の条件は、実用的で上手な収納ができていることだと思います。また、収納がうまくできていると、驚くほど掃除も簡単になります。今回は、収納上手になるための基本なことについて、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
お部屋の収納を見直す前に
片付け始めてみたけれど、なかなか進まなくて挫折してしまったという経験をお持ちの方も多いのではないかと思います。
その原因は、いったい何でしょうか?
- 収納場所に対して物が多すぎる
- 収納場所が少なすぎる
- 物にマッチした収納場所がない(本がたくさんあるのに本棚がないなど)
原因は、この3つの内どれか、またはその組み合わせだと思われます。
一つずつ詳しく考えてみましょう。
1、収納場所に対して物が多すぎる
これが、最も挫折しやすいケースです。
物が多すぎると収納場所に入り切らないのはもちろんのこと、物の置き場所を決めるのも困難です。
まず、いらない物や長年使っていない物などを思い切って処分します。
「いつか使うだろう」と思って取っておいても、その「いつか」はほとんど来ません。その「いつか」のために貴重なスペースを使うのは、本当にもったいない話です。
【ウィリアム・モリス】
有用とも美しいとも思えないものを家のなかにおいてはいけない(1880年の講演 生活の美より)
物を捨てるかどうか判断する時、この言葉を思い出していただけたら、決めやすくなるかもしれません。
2、収納場所が少なすぎる
片付けの仕事をしていると、収納場所が少なすぎるために汚部屋になってしまったのではないかと思われるケースを見かけます。
あるお宅では床に洋服が散乱していましたが、洋服の収納場所といえば、備え付けの細長のクローゼットがあるだけでした。ミニマリストレベルでないと到底収納場所は足りず、汚部屋になるべくしてなってしまったという印象を受けました。
日常生活をするために必要な最低限の物を収納する場所は、やはり必要です。
収納場所が不足する場合は、お部屋の広さとバランスを取りながら収納を増やしましょう。
また、収納場所が足りなくなったからといって、安易に収納家具や収納用品を買ってはいけません。物が増えるたびに買っていたら、それこそ大変なことになってしまいます。
まずは、いらない物や長年使っていない物の処分をし、本当に必要かどうかよく考えてから買いましょう。
3、物にマッチした収納場所がない(本がたくさんあるのに本棚がないなど)
このケースは意外に多いのではないかと思われます。
私の家族は音楽が好きでCDがたくさんあるのですが、なかなか良い収納用品がなく困っていました。そこで、普通の棚に自作のCDラックをはめ込みました。
収納スペースを増やさなくても、まあまあ満足できるものになりました。
物にマッチした収納場所がない場合は、ほんの一工夫を加えることで使いやすくなります。
収納で大切なのは… 美しさ?実用性?
収納で、より大切なのは見た目を美しくすることか、それとも実用性かを考えてみます。
極端な例ですが…
リビングがモデルルームのように美しくても、押入れにギュウギュウに物が詰め込んであったらどうでしょうか?
それでは、まともに物の管理ができるはずがありません。きっと暮らしにくいでしょう。
毎日を過ごす部屋は、もちろん美しいに越したことはありませんが、最も大切にすべきは実用性だと思います。
中には「生活感がない部屋にしたい」という願望のある方もいらっしゃいますが、私は生活感のある実用的な部屋の方が落ち着きます。
では、実用性を優先したらどうなるでしょうか?
テレビで、その道を極めた職人さんの仕事部屋を見ると、いろいろな仕事道具があちこちにあるのにステキな空間だな、と感じることがあります。
私は、実用性を極めると(美しさとは、ちょっと違うかもしれないけど)ステキになると信じています。
実用性の高い収納をするためのポイント
実用性の高い収納について、一緒に考えて見ましょう。
【ポイント1】
まずは、練習問題をやってみてください。
次の写真の問題点は何でしょうか?
お腹が減った時、何か食べ物がないか整理ダンスを探す人はいません。
問題は、カップ麺がありえない場所にしまってあることです。
…これは極端な例でしたが、探し物がなかなか見つからないのは、同じような問題があるからではないでしょうか。
ポイント1:その物を使う場所の近くに収納
【ポイント2】
ポイント1で少しは改善されるはずですが、次の練習問題です。
年賀ハガキ、祝儀袋、重要書類などが混在しています。
それぞれ別の種類の物として収納しないと、ゴチャゴチャになってしまいます。
次も似たような練習問題です。
いくらキッチンの近くにある棚だとしても、リンゴと文房具を一緒に収納するのは問題です。
「ポイント1:その物を使う場所の近くに収納」と書きましたが、それだけでは不足です。種類別に分類しないと、使いやすくはなりません。
ポイント2:同じ種類のものに分類して収納
【ポイント3】
ポイント1とポイント2を実行すれば、徐々に正しい収納ができるようになります。
次の練習問題では、しまい方の間違いを探してください。
高さ・奥行きの違う本が適当に入れてあります。小さな本は、場合によっては見えなくなってしまいます。
そこで、高さ・奥行きを考慮して並び替えました。
ちょっとした一手間で、出し入れがしやすくなりました。
それに、ちょっと美しくなったようです。
もう一つ、練習問題をやってみましょう。
この問題は、わかりにくいかもしれません。
…そこで、お友達が遊びに来て、コーヒーを飲む時のことを想像してみてください。全部で4個のコーヒーカップが必要です。
写真の入れ方では、あちこち物を移動しないと人数分のコーヒーカップを出すことができません。
そこで、ちょっと並べ替えてみます。
奥に向かって種類ごとに並べてあるので、コーヒーカップだけを出すのがラクになりました。
ポイント3:目的の物を出し入れしやすく収納
まとめ
実用性の高い収納をするためのポイントを、もう一度整理してみます。
【ポイント1】その物を使う場所の近くに収納
【ポイント2】同じ種類のものに分類して収納
【ポイント3】目的の物を出し入れしやすく収納
そうそう、もう一つ大切なことがありました。
収納に物がぎっしり入っていると、ちょっと物が増えただけで、すぐに入れるところに困ります。
収納には、2〜3割の余裕を持たせておくと完璧です。
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