見積もりは215万円。最終的なご請求は150万円でした。
結果だけ見れば、65万円の差。
ただ、今回お伝えしたいのは「安くなった」という話ではありません。
この差がどこで生まれたのか。その背景には、ひとつひとつの“判断”があります。
始まりは、この一言でした――
※掲載の写真は実際の現場ではなく、内容をイメージした生成画像です。
「ここなら大丈夫だと思って」
お付き合いのある不動産会社の社長さまから、建築会社さまをご紹介いただいたときの言葉です。
ありがたいな、と思うと同時に、
「これは中途半端な仕事はできないな」
そんな緊張感もありました。
現場の特徴と難しさ
住所を頼りに現地へ向かい、車から降りた瞬間に感じました。
「これは…簡単な現場ではないな」
正直、どこから手をつけるか一瞬考えました。
敷地はおよそ600坪以上。建物も200坪ほどある大きなお宅です。
間取りは、
・1階:7LDK
・2階:4LDK+納戸
どのお部屋にもしっかり物があり、一部屋一部屋がとにかく広い。

正直、なかなか時間が掛かりそうな物量です。
そんな中、施主さまはお一人で必要な物の確認を進めていらっしゃいました。
押し入れの奥、収納の中――
まだ手が付けられていない場所も多く、全体の量が見えきらない状態でした。
こういった現場では、見えている部分だけで判断することはできません。
見えない部分は、他の部屋の状況から推測しますが、ここは、経験による差が出やすいところです。
なぜ見積もりは215万円だったのか
今回のようなケースでは、最も量が多かった場合を想定して見積もりを出します。
理由はシンプルです。
あとから増えるのは、お客さまにとっても負担になりますし、現場としても避けたいからです。
ただ、その分――
金額はどうしても高く見えてしまいます。
実際、今回も金額だけで見れば他社さまのほうが低い提示でした。
それでも、紹介してくださった社長さまが、こう伝えてくださったそうです。
その一言で、ご依頼をいただくことになりました。
ここまで読むと、
「最初に高く出しているだけでは?」
そう感じる方もいるかもしれません。
ただ今回のように、
・見えない場所が多い
・物量の振れ幅が大きい
・後から増える可能性がある
こういった条件が揃う場合、“最大値基準”での見積もりは現実的な判断です。
そして実際の作業では、
・買取による減量
・資源としての分別
・回収方法の調整
によって、その最大値からどこまで下げられるかを見ていきます。
コストを下げるためにやったこと
今回の現場は、普通に進めれば高額になります。
だからこそ、作業前の段階でどうやってコストを下げるかを設計しました。
やったことはシンプルです。
① 買取できるものを拾い切る
・ネット販売に強い業者
・骨董品専門
・着物専門
・家具、レコードなど
それぞれ得意分野の業者に声をかけることで、一見難しそうなものにも価値がつくことがあります。
② 回収の流れを整える
ガレージ(約10畳)を先に空け、そこに不用品を集約。

回収の数が増えればそれだけ車両費もかかります。まとめて出すことでコストを抑えました。
また、今回の現場は物量だけでなく、敷地の広さも特徴的でした。
建物が大きいため、仮置き場までの運搬距離も長くなります。
その分、単純な作業量だけでなく、「運ぶ時間」もコストとして積み重なっていきます。
そのため今回は、物量に対してあえて人数を多めに投入しています。
結果として、作業効率を落とさず、全体のコストバランスを保つ形にしました。
また、買取によって減らせた量も大きく、2トン箱車で2回分ほどの物量を処分ではなく価値として扱うことができました。
今回の買取金額は以下の通りです。
・その他買取品:200,000円
・家具(1点):5,000円
・レコード:2,600円
・着物:0円
家具と着物は、すでにお客さまが必要なものを持ち帰られていたため、大きな買取金額にはつながりませんでした。
また、レコードは歌謡曲が中心だったため、査定額は2,600円にとどまりました。レコードは、洋楽で状態の良いものほど高く評価されやすい傾向があります。
ただ、ここで重要なのは金額の大小ではなく、「処分になるはずだったものが価値に変わっている」という点です。
これらはすべてお客さまへ還元しています。
買取や分別によって、この時点で既に数十万円分は「処分費」ではなく「価値」に変わっていました。
これらは最終的な費用に大きく影響します。
実際の作業内容と物量
作業日数:8日間
延べ作業人数:27人工
1日あたり3〜4名体制にて対応しました。
今回の処分・資源量は以下の通りです。
【可燃・不燃】
・可燃:39㎥(約3,900kg)
・不燃:16㎥(約3,200kg)
【資源】
・ダンボール:170kg
・雑誌:510kg
・布類:230kg
・鉄:200kg
【家電】
・テレビ:5台
・冷蔵庫:1台
・洗濯機:2台
・除湿器:2台
作業の中で印象に残った場面
作業の途中、施主さまがお見えになった際、仮置き場にまとめていた不燃袋の中から、ひとつのガラス細工を見つけられました。
「ああ、これ懐かしいわ」
そう言って、りんごの形をした小さな器をひとつ手に取られていました。
また、写真やアルバムについては「全部見たい」とのことで、まとめてお渡ししたところ、2〜3時間ほどじっくりとご覧になっていました。
その中から必要なものだけを選ばれ、残りは処分へ。
物量としては大量でも、一つひとつに時間や記憶が積み重なっていることを、改めて感じる場面でした。
そして最終的に、
見積もり:215万円
ご請求:150万円
という結果になりました。
65万円の差はどこで生まれたのか
もしすべてを「処分」として扱っていた場合、この金額にはなりません。
・分別の精度
・買取の選択
・排出方法の組み立て
この積み重ねによって、処分費だったものが、価値として扱えるものに変わります。
片付けは単なる作業ではなく、途中の判断で結果が変わる仕事です。
今回の現場は、それを強く感じるケースでした。
最後に
今回のきっかけは、紹介していただいたときの一言でした。
これからも、その期待にお応えできるよう誠心誠意対応してまいります。
もし今、
・見積もりが高くて迷っている
・本当にこれが適正かわからない
そんな状況であれば、一度お声がけください。
見積もりの中で、
「どれが処分で、どこが減らせるポイントなのか」
ここを一緒に整理するだけでも、結果は変わることがあります。
詳細は、「片付け・整理収納ページ」をご覧ください。

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