ある日のこと、古い知人から片付けの相談で電話が掛かってきました。
「タンスとかの移動や処分ってどれぐらいかかるもん?あれだったら高橋君、一度見に来てもらえんやろか」
詳しいお話は後にして、ひとまずお伺いすることにしました。
・・・
到着すると、ご夫婦が揃ってお出迎え。
「忙しいのにわざわざすまんね」
いえいえ、こちらこそお声掛けありがとうございます。
簡単な挨拶を交わしたのち、お宅を案内していただきました。
間取りは4LDK+サンルーム。年季の入ったお宅ですが、とても広く造りもしっかりしています。
「子どもの頃から家族で暮らしていた愛着のありすぎる家でね。けど、自分たちの生活スタイルを考えると、もうそこまで執着せんでもええかってなって引越すことにしたんよ」
どうやら1年前にお母様が他界され、ご存命のうちはこの家から離れるという選択肢はなかったけど1周忌が過ぎてようやく気持ちにも踏ん切りがついたのだそうです。