工事車両が駐車スペースを塞いでいる家の前で、作業着姿の男性が立ち尽くしている様子

「やっちまった…」あの日、いったい何が?人生で一番ヒヤッとした東浦町での不用品回収

あの日も、いつもと同じただの “見積もり” のはずだったんです。

しかし当日、お宅に到着した瞬間から、いつもとは違う “わずかな張りつめた空気” を感じていました。

その違和感の中で、私が口にした “たった一言” が、場の空気を一瞬で凍らせることになります――。

その言葉を発した瞬間、胸の奥がギュッと縮まりました。

(しまった……完全に言い方を間違えた)

――ほんの数秒の出来事なのに、その沈黙は走馬灯のように長く感じられました。

そこからどう誤解が解け、

最終的に「またお願いします」と言っていただけたのか。

これは、東浦町の片付けで実際にあった “小さなすれ違い”と“大きな学び” の物語です。

見積もり当日の違和感

ご依頼主様は現在関西にお住まいで、東浦町にあるご実家の片付けを進めていらっしゃるところでした。

当日、お宅に到着すると、事前に伺っていた駐車スペースにはリフォーム工事の車両がびっしりと停まっていました。

工事の方に声をかけても、

という反応。

(なんだか嫌な予感がする…)

そのとき、玄関からご依頼主様も出てきてくださり、私が「駐車スペースが塞がっておりまして…」とお伝えすると、

とご提案をいただきました。

ただ、いくら営業時間前とはいえ、許可なく他所様の駐車場に停めるわけにはいきません。

そこで、仕方なく少し離れたコインパーキングまで車を回し、足早に戻りました。

信号待ちのとき、ふと時計を見ると——

次の見積もりのお約束まで、すでに1時間を切っていました。

この時点で、すでに時間が押しはじめており、胸の奥にじわりと焦りが広がっていました。

すれ違いの始まり

玄関先で再び挨拶を済ませたあと、まずは入口付近を確認しつつ、今日の進め方をお伝えしようとしました。

私はすでに時間が押していたこともあり、「早めにお部屋を拝見し、段取りを整えたい」 と考えていました。

なぜなら、工事中の環境は動線が読みにくく、「安全に運び出しができる状況なのだろうか?」

という不安がどうしてもあったからです。

一方でご依頼主様には、「まずは今回の経緯や事情を説明したい」 というお気持ちがありました。

つまり、

・私は――早めに現場を確認したい
・ご依頼主様は――まず話を聞いてほしい

という、お互いの思惑が完全にズレてしまっていたのです。

そんな中で、私が玄関奥の荷物に視線を移したその瞬間、

私の動きを察したのか、ご依頼主様は少し驚いた表情でこうおっしゃいました。

その言葉を聞いた途端——

駐車の件、想定外の工事、次の見積もりの時間など……

いろんなことが一気に重なり、心の余白がスッと消えてしまいました。

凍りついた瞬間

思わず口から出たのは、この一言。

「わかりました。では今回の見積もりはなかったことにしましょう。」

その場にひとときの沈黙が生まれ、そのあと、ご依頼主様が静かに口を開きました。

その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がスッと冷えました。

(あ——やっちまった。完全に言い方を間違えた…)

本当は、「このまま続けたら、もっとすれ違ってしまう」という思いを伝えたかっただけなのに。

焦りと混乱が重なり、言葉がまったく違う方向へ転がってしまったのです。

誤解が解けるまで

その場で呼吸を整え、すぐに謝罪をしました。

「申し訳ありません、今の言い方は本当に良くなかったです。見積もりをやめたいわけではありません。このまま進めると、お互いに誤解が生まれてしまい良くないと思ったんです。」

するとご依頼主様は目線を落とし、静かにおっしゃいました。

その説明を聞いた瞬間、駐車スペースが使えなかった理由は工事の遅れだったのだと、すべてがひとつにつながりました。

同時に、胸の奥がきゅっと痛み、申し訳なさがこみ上げてきました。

そんな私の様子を気遣ってくださったのか、ご依頼主様は表情をやわらかくしておっしゃいました。

その言葉に、胸の奥がすっと軽くなりました。

まさかのご依頼

気持ちを切り替え、あらためて処分する物を一つひとつ丁寧に確認していきました。

ひと通り見終わったところで、お見積もりのご提示。

正直、今日の流れではまず “即決はない” と思っていました。

そのため、

「お返事は急ぎませんので、他社様とも比較しながらご検討ください」

とお伝えすると――

その言葉は、本当に胸に響きました。

すれ違いを乗り越えたあとの温かさは、想像以上に大きなものだったのです。

すぐに車両と人を抑えて、作業日の設定をクリア。

お別れの挨拶を済ませたのち、次の見積もりへと出発しました。

(あと15分じゃ、絶対間に合わないな…)

すぐさま次のお客様に謝罪の連絡を入れ、そのまま駐車場まで全速力で走ったのは――

言うまでもありません。

作業当日

作業当日はスタッフ2名の予定でしたが、見積もりの件もあり、私も同行して3名体制で伺いました。

到着すると、せっせと荷物を運び出してくださっているご依頼主様のお姿が。

その気遣いが本当に嬉しくて、まっすぐ心に届きました。

作業内容

・作業人員:3名(スタッフ2名+私)
・作業時間:約1時間半
・可燃・不燃:320kg
・冷蔵庫:1台
・洗濯機:1台

まずは玄関付近の不用品を片付けて動線を確保。

1名が2階から軽い物を下ろしている間、私はもう1名と大物の運び出しを担当しました。

キッチンには大きなテーブルがあり、そのままでは冷蔵庫が通らなかったため、いったんテーブルを隣の部屋に移動 → 冷蔵庫搬出 → 原状復帰。

リフォームが終わったばかりのお部屋では、カドのある家具に蛇腹で養生を施し、階段や壁に傷がつかないよう慎重に運び出しました。

途中で、「2階の小さい冷蔵庫を1階に移動してほしい」という追加のご要望もありましたが、もちろん快く対応しました。

さらに「こういうの、どう処分したらいいかわからなくて…」と差し出されたダンボール2箱(新聞・雑誌などの資源ごみ)もすべて回収。

最後に玄関まわりを軽くほうき掛けし、無事に作業を終えました。

今回のご請求金額は、71,400円(税込)でした。

帰り際のひと言

ご挨拶のとき、お客様が少し照れながらこうおっしゃいました。

見積もり時のあの緊張を思い返すと、

このひと言は、深く胸に沁みました。

今回の学び

片付けの仕事は、ただ物を運ぶだけではなく、「その人の気持ちに触れる時間」でもあります。

あの日の出来事は、自分の未熟さと、何より “向き合う姿勢の大切さ” を教えてくれました。

時に迷い、時に反省しながらも、それでも誠実に向き合い続けたい。

片付けの仕事は、そんな私の “生き方そのもの” だと感じています。

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