
遺品整理は、ある日突然やってきます。
心の準備も整わないまま、
「費用はいくらかかるのか」
「誰に頼めばいいのか」
短い時間の中で、分からないまま判断を迫られ、戸惑いや不安を抱える方も多いのが現実です。
実際に、「もっと早く知っていれば、こんなに慌てなくて済んだのに」という声をよく耳にします。
かくいう私自身(岡本)も、父の介護や実家の片付け、名義変更などを通して、準備不足がどれだけ負担になるかを身をもって痛感しました。
お金のこと、手続きのこと、片付けの段取り…。知らないことが重なると、判断するだけで本当に疲れます。
でも逆に言えば、元気なうちに“少し調べておくだけ”で、いざという時の不安やムダな出費は大きく減らすことができます。
いきなり生前整理などと身構えなくても大丈夫。まずは「知る」ことが一番の備えになります。
この記事では、遺品整理が突然やってきても慌てないために、今から調べておくべき5つのポイントを、現場の実例と実体験を交えながら分かりやすくまとめました。
「まだ先の話だけど、ちょっと不安…」
そんな方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
※なお、今回の記事に掲載した写真は実際の現場ではなく、内容をイメージした生成画像を使用しています。
【目次|今から調べておく5つのポイント+補足】
①遺品整理の費用相場と内訳
遺品整理で一番多い不安が、「いくらかかるのか分からない」という点です。
実際、相場を知らないまま見積もりを取ると、その金額が高いのか安いのか判断できず、余計に不安になってしまいます。
■ まずは「一般的な相場感」を知っておく
遺品整理の費用は、地域や物量、作業条件によって大きく変わります。
まずは、全国的に紹介されている“おおまかな相場感”を知っておくことで、見積もり金額が高いのか安いのかを判断しやすくなります。
2K~2LDK:8万円~40万円程度
3K~3LDK:12万円~65万円程度
4LDK以上:20万円~90万円以上
※上記は全国的な目安です。愛知県内でも「市町村」「立地」「物量」で費用は変わります。
■ 参考:当社(片付けトントン)の費用目安
参考情報として、片付けトントンにおける「仕分け・搬出・積み込み・処分」まで含めた“全部お任せ”プランの遺品整理費用の目安は、次のとおりです(物量・立地・作業条件により変動します)。
2K~2LDK:13万円~
3K~3LDK:25万円~
4LDK以上:35万円~
同じ間取りでも、
・集合住宅か戸建てか
・エレベーターや階段作業の有無
・駐車位置から搬出までの距離
・家の中の物量や分別の手間
といった条件によって、作業人数・時間・車両台数が変わり、金額にも差が出ます。
ここで大切なのは、「間取りだけで金額が決まるわけではない」という点です。
■ 遺品整理の費用は、主に3つ
ざっくり言うと、遺品整理の費用は「人手」「処分」「運搬」の組み合わせで決まります。
① 人件費
仕分け・搬出・積み込みなど、作業にかかる人数と時間です。階段しかない物件、大型家具が多い場合は人手が必要になりやすくなります。
② 処分費
可燃・不燃・粗大ごみ・家電リサイクルなど、処分方法によって費用が変わります。
③ 運搬・車両費
トラックの台数、駐車距離、搬出動線なども金額に影響します。

さらに、以下のような条件が重なると、追加費用が発生するケースもあります。
・エレベーターがない
・駐車スペースが遠い
・特殊な廃棄物がある
■ 「高いか安いか」は、相場と条件をセットで見る
私自身、実家の片付けを考えたとき、戸建てで35万円~と聞いて「正直、高いな…」と感じました。
「自分でやれば、もっと安くできるんじゃないか?」と思ったのが本音のところです。
ただ、実際に人手・時間・処分費・移動コストなどを細かく積み上げてみると、「この金額になるのも無理はないな」と後から納得する部分もありました。
相場を知らないままだと、
・見積もり金額が妥当なのか分からない
・安さだけで業者を選んでしまう
・必要な作業を削って後悔する
といった判断ミスにつながりやすくなります。
まずは大まかな相場感を知ったうえで、「物量」と「作業条件」を一緒に見ていく。それだけでも、いざという時の冷静さがまったく違ってきます。
次の章では、費用に直結する「家の中の物量・作業ボリューム」を、どう把握しておくべきかを解説します。
②費用が変わる「物量」の見極め方
遺品整理の費用や作業時間を大きく左右するのが、家の中にどれくらい物があるかです。
間取りが同じでも、物の量や種類によって、作業人数・日数・トラック台数はまったく変わります。
「うちはそんなに物は多くないはず」
そう思っていても、いざ片付けを始めると、押し入れ・天袋・物置・タンスの奥、さらには普段あまり使われていない部屋(いわゆる“隠し部屋”)などから、思った以上に物が出てくるケースは少なくありません。
■ 特に確認しておきたいポイント
① 大型家具・重量物がどれくらいあるか
タンス、食器棚、冷蔵庫、金庫、ベッドなど、大きくて重い物は、人手と時間が必要になります。また、階段しかない住宅や、通路が狭い場合は、搬出作業の難易度も上がります。
② 搬出動線と作業スペース
玄関の広さ、階段の幅、駐車位置から玄関までの距離なども、作業効率に影響します。例えば、トラックを横付けできないと運搬の手間が増えてしまいます。
③ 分別の手間がどれくらいかかりそうか
衣類・紙類・家電・可燃・不燃など、分別が必要な物が多いほど、作業時間は伸びやすくなります。
■ 写真を撮るだけでも、十分な情報になります
すべてを事前に整理する必要はありません。
部屋全体、収納の中、大型家具の位置などをスマホで撮影しておくだけでも、物量のイメージはかなり掴めます。

また、業者に相談する際も、写真があれば概算の相談がしやすくなりますし、自分自身の整理にも役立ちます。
■ 実際にやってみて感じた「一人作業の限界」
私自身、実家の片付けで「一人でどこまでできるか試してみよう」と作業したことがあります。
小物の整理は何とかなっても、2階からタンスを下ろそうとした時に、「これは下手をすると危ないな」と感じました。
結果的に、複数人で作業して、合計14時間ほどかかりました。
人数・時間・体力の消耗を考えると、「無理せず人手を使う判断」も、とても大切だと実感しています。
物量と作業ボリュームが見えてくると、「自分でどこまでやるか」「業者に任せるか」「費用はどれくらいかかりそうか」の判断がしやすくなります。
次の章では、自分の地域で使える処分方法や行政サービスについて解説します。
③行政サービスとごみ処分の確認
遺品整理というと、最初から「業者に頼むしかない」と思われがちですが、実は地域によって使える処分方法や行政サービスは大きく異なります。
ここを知らないまま進めてしまうと、本来もっと安くできたはずの方法を見逃してしまうこともあります。
■ 市町村ごとに、処分ルールとサービスはまったく違う
ごみの出し方ひとつ取っても、

・回収頻度
・持ち込みが可能か
・多量ごみの対応があるか
・予約制かどうか
など、自治体ごとにルールは大きく違います。
また、一定量をまとめて回収してくれる「多量ごみ回収」や、クリーンセンターへの直接搬入(自己搬入)など、知っている人だけが使っている制度も存在します。
■ 知らなかっただけで、費用が何倍にも変わることもある
私が実際に調べた地域では、庭先に出しておくだけで、市の回収業者がトラックでまとめて回収してくれるサービスがありました。
費用は、トラック1台あたり5,500円程度。正直、「こんなに安い制度があるのか」と驚きました。
もしこの制度を知らずに、すべてを民間業者に依頼していたら、処分費は大きく変わっていたと思います。
ただし、こうした制度は全国共通ではありません。住んでいる地域が違えば、使えるサービスも、条件も、料金もまったく異なります。
■ 住んでいない地域ほど、情報は集めにくい
実家が遠方にある場合、その地域のごみルールや回収制度を調べるだけでも意外と手間がかかります。
市町村のホームページを見ても分かりづらかったり、電話で確認が必要になることも少なくありません。
また、複数の業者に問い合わせてみることで、これまで知らなかった情報が得られるケースもあります。
いきなり依頼するのではなく、「情報を集める」というステップを挟むだけで、選択肢は大きく広がります。
■ 業者だけが正解とは限らない
もちろん、物の量が多かったり、時間や体力的に難しいと感じる場合は、無理せず専門業者に任せるのも一つの選択です。
ただ、「全部を業者任せにする」のではなく、
・自分で出せるものは行政回収を使う
・大物だけ業者に頼む
・分別だけ先に進めておく
など、組み合わせることで費用を抑えられるケースもあります。
次の章では、捨てる前に必ず確認しておきたい「売れるもの・価値があるもの」について解説します。
④捨てる前に確認したい貴重品
遺品整理では、「とにかく早く片付けたい」という気持ちが先行しがちです。
その結果、本来は価値がある物まで、まとめて処分してしまうケースは少なくありません。
実際、片付けが落ち着いてから「これ、売れたんじゃないかな…」と後悔される方も多いです。
■ 意外と見落とされやすい“価値のあるもの”

代表的なのは、次のような物です。
・貴金属(指輪・ネックレス・金貨など)
・時計・ブランド品
・カメラ・オーディオ機器
・昔の玩具・ゲーム・趣味用品
・骨董品・美術品
一見すると古く見える物でも、思わぬ値がつくこともあります。
■ 実際に、処分費用の足しになった話
私自身、実家の片付けをした際、亡き祖父母の貴金属がまとまって出てきました。
「念のため見てもらおう」と査定に出したところ、金の相場が上がっていたこともあり、約26万円になりました。さらに、昔の玩具やゲームも売却して、2万円以上の値がつきました。
これらは、その後にかかる片付け費用や移動費の大きな助けになりました。
もしこれらを何も考えずに処分していたら、その分だけ余計な出費が増えていたことになります。
※上記の金額はあくまで一例です。条件や地域によって結果は異なります。
■ 捨てる前に、一度だけ立ち止まる
大切なのは、「全部を売ろう」と頑張ることではありません。
ただ、捨てる前に一度だけ“これは価値があるかもしれない”と立ち止まることです。
特に貴金属や小さな高価品は、他の物に紛れて処分されてしまうリスクもあります。
業者に依頼する場合でも、事前に高価な物があるかどうかを把握しておくだけで、トラブル防止にもつながります。
■ 業者選びには注意が必要
残念ながら、買取の世界には、知識がない人につけ込む業者も存在します。
適正な説明がないまま安く買い取られたり、管理が雑なケースもゼロではありません。
・査定内容をきちんと説明してくれるか
・相場感を提示してくれるか
・強引な営業がないか
こうした点を意識して、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
次の章では、契約・名義・重要情報の整理について解説します。ここは、実際にトラブルになりやすい“見落としポイント”です。
⑤契約・名義・重要書類の落とし穴
遺品整理が進まない原因のひとつが、契約や名義の情報が分からないことです。
物の片付けは目に見えて進みますが、手続き関係は情報がないと一歩も進めないケースがあります。
特に、電気・ガス・水道・管理会社・家賃・保険・金融機関などは、契約先が分からないだけで確認や解約に時間がかかってしまいます。
■ 本人以外には教えてもらえないことも多い
実際、管理会社や契約先に問い合わせても、本人以外には契約内容を教えてもらえないケースは珍しくありません。
個人情報の観点から考えれば当然ですが、「確認したくても確認できない」という壁にぶつかることになります。
「請求書が届くのを待つしかない」
「本人が元気なうちに聞いておけばよかった」
そう感じる場面は、現場でもよくあります。
■ 名義の問題は、想像以上に手間がかかる
家や土地の名義が、すでに亡くなった方のままになっている場合、名義変更には多くの書類と手続きが必要になります。
私の場合、祖父と父の名義が残っており、出生から死亡までの戸籍をすべて集める必要がありました。
また、何度も引越しをしていたため、複数の自治体から取り寄せることになり、想像以上に時間と手間がかかりました。
結果的に、専門家に依頼する判断をしましたが、「もっと早く整理しておけば…」と感じたのも正直なところです。
■ まずは「どこに何があるか」だけで十分
すべてを完璧に整理する必要はありません。
まずは、
・契約書・請求書はどこにあるか
・通帳・印鑑・保険証券はどこか
・不動産の権利書・名義はどうなっているか
といった「場所と存在」を把握しておくだけでも、いざという時の負担は大きく減ります。
家族で共有しておくだけでも、安心感はまったく違ってきます。
▶ 遺品整理、何から始めればいい?迷わない進め方
遺品整理について調べると、「手順」や「作業の流れ」はたくさん出てきます。
でも、実際の現場で一番つまずきやすいのは、作業そのものよりも「判断の順番」です。
何から手をつけるべきか分からないまま、いきなり片付け始めてしまって後悔したり、家族間で意見がぶつかって空気が重くなってしまったり…。
そうならないために、ここでは片付けの現場で本当に大切だと感じている「迷わない進め方」をお伝えします。
① いきなり片付けない。まずは気持ちの整理から
遺品整理は、気持ちが追いつかないまま作業だけを進めると、あとから「やっぱり捨てなきゃよかった」と後悔が残りやすい作業です。
現場でも、「早く片付けなきゃ」と焦って一気に処分してしまい、あとになって「本当は残したかった写真や手紙まで捨ててしまったかもしれない」と落ち込まれる方を何度も見てきました。
まずは焦ってすぐに進めようとせず、「今日は見るだけ」「今日は仕分けだけ」と小さく区切ってみましょう。
例えば、生活動線(玄関→リビング→個室)の順に写真を撮って全体像を把握してから、少しずつ仕分けに入るだけでも、判断の迷いはかなり減ります。
気持ちの整理が追いつくペースで進めていき、後悔の少ない遺品整理を目指しましょう。
② 「捨てる」より先に「残すもの」を決める
遺品整理で一番しんどいのは、「これは捨てていいのか?」と迷い続ける時間です。
この迷いを減らすコツは、最初に「絶対に残したいもの」を決めてしまうこと。
たとえば、
・写真・アルバム・手紙
・通帳・権利書・契約書などの重要書類
・家族にとって思い出のある品
こうしたものを先に確保しておくと、その後の仕分け判断がぐっと楽になります。
迷ったものは、すぐに捨てず「一時保留ボックス」を作っておくのもおすすめです。
感情が落ち着いたタイミングで、改めて判断すると後悔しにくくなります。
③ お金・契約・重要書類はできるだけ早く確認する
遺品整理では、思い出の品だけでなく「お金や契約に関わるもの」の確認もとても重要です。
・通帳・印鑑・キャッシュカード
・保険証書・年金関連書類
・不動産や車の名義関係
・サブスク・携帯・光熱費などの契約書類
これらを後回しにしてしまうと、解約が遅れて余計な費用が発生したり、手続きが複雑になったりすることがあります。
実際の現場でも、「もっと早く気づいていれば防げた」というトラブルを何度も見てきました。
思い出の整理と並行して、こうした実務的な確認も意識して進めていくと安心です。
④ 体力・時間・人手の限界ラインを見極める
遺品整理は、想像以上に体力と時間を使います。
特に大型家具や大量の荷物がある場合、家族だけで進めようとして体を痛めてしまったり、予定より何週間もかかってしまうケースも少なくありません。
「全部自分たちでやらなきゃ」と抱え込む必要はありません。
途中でしんどくなったら、プロに相談するという選択肢があることも、最初から知っておくだけで気持ちが楽になります。
無理をしない判断をすることも、後悔しない遺品整理の大切なポイントです。
実際の遺品整理がどんな流れで進み、どれくらいの物量・時間・人手がかかるのかは、文章だけだとイメージしにくい部分もあります。
片付けトントンの施工事例では、一軒家の遺品整理から生前整理までの流れや、作業前後の様子、ご家族の気持ちの変化なども詳しく紹介しています。
👉 一軒家の遺品整理・生前整理の施工事例を見る
+ 今日からできる小さな備え
ここまで読んでいただくと、
「遺品整理って、考えておくことが意外と多いな…」
と感じたかもしれません。
でも、すべてを一気に準備しようとする必要はありません。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、少しずつ“知っていく”ことです。
■ すぐに依頼しなくても大丈夫
「まだ依頼は考えていないけど少し不安」
「何から手をつければいいか整理したい」
そんな段階の方は、まずは“できそうなことを一つだけ”やってみてください。
もし今日できるとしたら、
・押し入れや引き出しを、スマホで1枚だけ撮ってみる
・契約書や請求書がありそうな場所を、1か所だけ開けてみる
・家族に「もしものとき、何から始めようか」と一言だけ話してみる
そうすると、「何から始めればいいか」が見えてきます。
余裕があれば、自分の状況に近い片付け事例を読んでみるのも、いざという時に役立ちます。
▶ 遺品整理の進め方が分かる関連記事はこちら
▶ 実際のお客様の声・体験談はこちら
もちろん、「具体的に相談したい」「費用感を知りたい」という段階になったら、いつでもお気軽にご相談ください。
遺品整理士の資格を持つスタッフが、状況に合わせて無理のない進め方をご案内します。
詳細は、「遺品整理サービスページ」をご覧ください。
Q&A よくある質問
遺品整理でよくある質問をまとめてみました。
遺品整理の費用相場はどれくらいですか?
遺品整理の費用は、地域・物量・作業条件・処分方法によって幅があります。一般的な目安としては、1R~1DKで3万~15万円程度、2K~2LDKで8万~40万円程度、3K~3LDKで12万~65万円程度、4LDK以上で20万~90万円以上と紹介されることが多いです。
同じ間取りでも料金が大きく変わるのはなぜですか?
間取りだけで金額が決まるわけではなく、物量、階段作業の有無、駐車距離、分別の必要性、特殊な廃棄物の多さなどで作業人数・時間・処分コストが変わるためです。条件が重なるほど相場レンジの上振れが起こりやすくなります。
遺品整理の費用は何で決まりますか?
主に「人件費(人数と作業時間)」「処分費(分別・リサイクル・粗大ごみ等の処分方法)」「運搬・車両費(トラック台数や搬出動線、駐車距離)」の3つで決まります。
費用を抑えるために事前にできることはありますか?
行政回収(粗大ごみ・多量ごみ回収・クリーンセンター搬入など)を調べて使えるものは活用し、分別できる範囲は先に進めておくと費用を抑えやすくなります。また、部屋全体や収納内の写真を撮っておくと、物量の把握や概算相談がしやすくなります。
捨てる前に確認したほうがいいものはありますか?
貴金属、時計、ブランド品、カメラ、オーディオ、昔の玩具・ゲーム、骨董品・美術品などは、思わぬ値がつくことがあります。捨てる前に一度だけ「価値があるかもしれない」と立ち止まるのが大切です。





