物を減らせば片付けは簡単になりますが、中には、どうしても捨てられないという方もいらっしゃいます。しかし、そういった場合でも片付けをあきらめてしまうのは、ちょっと残念です。
今回は「捨てない片付け」のメリット・デメリットを洗い出し、なるべく無駄にならない「捨てない片付け」方法を探ってみます。
「捨てない片付け」のメリット
まずは、メリットをリストアップしてみます。
気楽に片付け始められる
物を減らした方が片付けやすいので、ネットで片付け方を調べると、大抵は「まず捨てましょう」と書いてあります。
しかしそれでは、「私は捨てられない」「捨てる物はない」と思っている人は、最初から片付けるのを諦めてしまうかもしれません。
そうなってしまうと、せっかく「片付けようかな」と思えた気持ちが、本当にもったいないです。「捨てなくてもいい」と考えることで、気楽に片付け始められるならば、やってみた方が良いと思います。
何事も、始めるまでが大変なのです。
とにかく始めることができれば、それが大きな一歩になるかもしれません。
「捨てる、捨てない」で悩まなくて済む
基本的に捨てないのですから、「捨てる、捨てない」で悩まなくても済みます。
捨てないことで生まれる悩みもありますが、それはデメリットの項目で詳しくお話します。
今まで眠っていた物を使うかもしれない
何年も使わなかった物、何年も着なかった服が陽の目を見る可能性があります。
一般的には、何年も使わなかった物は二度と使わないと言われていますが、何事にも絶対ということはありません。
上手な収納をすれば、有効に使える可能性はあるでしょう。
片付けを習慣にできる可能性がある
「捨てない片付け」でスッキリ感を出すためには、マメな片付けが必要です。
つまり、片付けを習慣にできるチャンスが、しっかり巡ってくるわけです。
ある程度は捨てないと長持ちしない、ということに気がつく
収納の2〜3割が空きスペースになっていれば、多少はさぼっても平気ですが、「捨てない片付け」の場合は物が多いため、片付いた状態を維持しにくくなります。
「多少は捨てないと、片付けが大変すぎる」と気がつく、良いチャンスになる可能性があります。
「捨てない片付け」のデメリット
デメリットは、たくさんありそうです。
片付け方(収納方法)が難しい
物が多すぎると収納に入りきらない可能性がありますし、使いやすい収納をするのも難しく、とにかく詰め込むだけになりがちです。
結局、何をどうしたらいいのかわからなくなり、挫折してしまう危険性があります。
あまり片付いた感じがしない
物が多いと、片付け終わってもスッキリ感はイマイチです。
ビッシリと物が詰め込まれて隙間がなく、また、大きさや用途などの秩序がない収納は美しくありません。
片付いた状態が長続きしない
収納スペースが一杯なのは、非常にしまいにくい状態です。徐々にしまうのが面倒になり、部屋が散らかり始めます。
物が多すぎて片付けにくい部屋は、リバウンドの原因です。
探し物をする時間が長くなるかも
今まで、キャッシュカードはこのあたり、文房具はこのあたり、服はこのあたりというように、散らかった中にも何らかの秩序を持っていたはずなのに、片付けたら、どこに何があるか余計にわからなくなってしまうことがあります。
物の定位置を決めず、手当たり次第に収納に詰め込むのは危険です。
「捨てない片付け」でも、する価値はあるの?
メリット、デメリットを比べてみると、デメリットの方が圧倒的に多いのは予想どおりです。
「捨てない片付け」をする場合、ある程度の無駄は覚悟しておいた方が良いでしょう。
しかし、メリットがないわけではありません。「捨てない片付けなら始められる」と思うのであれば、チャレンジしてみる価値はあると思います。
実際にやってみて、自分の思うとおりにできればOKですし、上手くいかなかったら修正すれば良いのです。
「捨てない片付け」の方法
「捨てない片付け」は、どうしても無駄の多いものになってしまいますが、できるだけ効果的な方法を考えてみます。
1、ゴミを捨てる
「私は、捨てられない」といっても、ゴミを捨てることには異論はないはずです。
もう一度、家の中を見渡し、ゴミがないかチェックしてください。物置や押入れの中も、念入りなチェックが必要です。
ひどく汚れたり破れたりした大量の服、賞味期限切れの食品、大量の試供品などを「ゴミではない」とおっしゃる方もいて、ゴミとゴミではない物の境界線は、人によって大きく違う場合があります。
「捨てない片付け」は、ゴミだと思う範囲を広げるよう心がけることがポイントです。
2、収納スペースを作る
物置、押入れ、クローゼット、食器棚、本棚、洋服ダンスなどを片付けて、収納スペースを作ります。
特に、物置、押入れは収納の中心になりますから、最初に、念入りに片付けてください。
3、当分使わない物を、段ボールに詰める
①ある程度は強度のある厚手の段ボール、ガムテープ、油性マジックを準備します。
②当分使う予定のない物を、種類ごとに段ボールに詰めます。
③段ボールの見やすい位置に、何が入っているか、いつ段ボールに詰めたかを、なるべく大きな字で書いてください。
④詰め終わった段ボールは、物置や押入れの奥に(重ねて)収納します。
4、通常の片付け
日常生活で使う物は種類ごとにまとめ、それを使う場所の近くに、なるべく出しやすく、しまいやすく収納します。
5、片付け方を修正する
日にちが経つにつれ、また物が溢れてくるでしょう。
その時は、物置や押入れに入れた段ボールの中身も見直してください。何年も段ボールに入ったままの物はありませんか?
その時が、捨てる決断をするチャンスです。
まとめ
「捨てない片付け」は、あくまで一時しのぎですが、「片付け始めるきっかけ」にはなり得ます。
たとえ、挫折やリバウンドの原因になったとしても、やらないより、ずっといいのではないでしょうか。
人間は、失敗を繰り返しながら大きくなる、と信じています。
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中日新聞朝刊折込 シニア情報紙『ローズ』7月号の記事紹介
2019年1月から2020年3月まで、「実家の片付け」というテーマで連載をしました。
7月号は「生前整理にチェレンジ」というタイトルです。
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