ご友人から寄せられたご相談
今回は、豊明市で遺品整理のお手伝いをさせていただいた時のお話です。
ご相談をくださったのは、そこで暮らすご主人を日頃から気にかけておられるご友人の方でした。
ご主人は数年前に奥さまを亡くされて以来、長くお一人で暮らしてこられました。
しかし、奥さまとの思い出がつまった一部屋だけは、どうしても手をつけられないまま時が過ぎてしまったといいます。
ご友人の方には、生前の奥さまから
と託された言葉がありました。
その願いを胸に、
「そろそろご主人の暮らしを整えるお手伝いをしたい」
——そんな思いで、今回ご相談くださったのです。
ご主人さまのお気持ちを確認(遺品整理で大切なこと)
遺品整理では、ご主人さまの意向に沿って進めることが何より大切です。
その思いがあり、まずは直接お伺いしてお話を聞かせていただくことにしました。
当日は、耳が少し遠いご本人さまとのやり取りがスムーズに進むよう、ご友人もそばでサポート。
処分のご希望を伺っていくと——
「それはいらない」
迷いなく、はっきりと答えてくださるご様子に、
ご主人さまの“自分で選びたい”というお気持ちが強く伝わってきました。
押し入れの奥が見えない…慎重な見積もりへ
押し入れは手前側に物が高く積まれていて、奥半分が全く見えない状態でした。

こうした場合、押し入れ全体の量を正確に把握することが難しく、見積もりと実際の作業量に差が出てしまう可能性があります。
そのため、どうしても見える範囲から判断し、推測するほかありません。
後から金額が上がるようなことは絶対に避けたいため、今回は少し余裕をもたせた上限額での見積もりをご提示しました。
他社からは「30万円くらい」と言われていたそうですが、当社の見積もり額は177,100円(税込)。
ここまで価格を抑えられる理由は、
当社がこの地域の一般家庭ごみの収集運搬許可を持っていること(行政が認めた正式な許可で、適正処理ができる業者の証でもあります)。
そして、片付け作業から処分まですべて自社で完結できる体制を整えているためです。
外部委託が発生しないぶん、大幅なコスト削減が実現します。
「20万切るなら安いね!」とご友人の方も納得されつつ、一度ご検討されるとのお話でした。
しかしその日の夕方、「やっぱりお願いします」とご成約のお電話をいただきました。
作業日|動線づくりからスタート
この日の出動スタッフは2名。
2階からの階段降ろしではありますが、今回一緒に入るスタッフは経験豊富な竹内。
そのため、作業は比較的スムーズに進みそうな予感です。
作戦は“1名が分別、1名が導線確保”。
奥の一部屋を空にするにはキッチン側を通って運び出す必要があるため、まずは動線づくりから入りました。
これは、効率よく進めるための大切な準備です。
現場でよくある“残したい物”の巻
見積もりの時点で“残す物”を確認していたものの、
と追加のご希望が。
片付け現場では“あるある”です。
そこで、残す可能性がある物については、その都度ご主人さまに確認しながら進める方法に切り替えました。
判断が早い方だったため、作業はスピーディーに進みました。
贈答品の食器は“譲る”ご提案
未使用の食器については、ご本人さまも判断に迷われる場面がありました。
ちょうど後からご友人も来られる予定だったこともあり、
「もし欲しいものがあれば、差し上げてはいかがでしょう?」
とご提案すると、
と、ご主人さまの表情がふっとやわらぎました。
“誰かに使ってもらう”という選択肢は、手放す気持ちをそっと後押ししてくれる、魔法のような方法です。
奥さまの着物は“劇団へ寄付”
作業が順調に進んだこともあり、予定より早いペースで押し入れの整理まで進めることができました。

ご主人さまは普段の物については迷うことなく判断される方でしたが、
奥さまの遺品である着物に関しては、
と、どこかお気持ちが揺れているご様子でした。
大切な方の遺品となれば、迷ってしまうのはごく自然なことです。
そこで、「処分ではなく、別の形で活かす方法もありますよ」とお伝えし、着物専門の業者をご紹介しました。
買取金額こそわずかでしたが、値が付かなかった着物は“劇団へ寄付します”とのお話に、ご主人さまも、どこか安心されたようでした。
“値段よりも、次に誰かが使ってくれること”
その事実が、心の整理にもつながったのだと思います。
“その人の暮らしやすさ”が最優先
運び出しを終えた後、生活がしやすいようにと家具の配置を見直すご提案をしました。
するとご主人さまは、
と静かにお話しくださいました。
片付けの正解は、見た目の美しさではありません。
その方が安全に、安心して暮らせる動線があるかどうか——。
今回あらためて、その原点を思い出させていただきました。
作業データ
作業人員:2名 × 5.5時間
見積もり金額:177,100円(税込)
ご請求金額:100,100円(税込)
処分量:可燃・不燃290kg、ダンボール10kg、雑誌50kg、布類30kg
まとめ
今回の片付けは、ものを減らすことが目的ではなく、
ご主人さまのお気持ちを尊重しながら「これからの暮らし」を整える時間でした。
奥さまとの思い出が詰まった一部屋。
そして、生前に託されたご友人の願い。
そのどちらにも寄り添いながら進めることで、ご主人さまが納得できる、安心の片付けにつながりました。
遺品整理は、ただ物を処分する作業ではなく、
気持ちの整理と、これからを支える環境づくりでもあります。
「どこから手をつけていいか分からない」
「思い出の品をどう扱えば…」
そんなお気持ちを抱えている方も、どうぞご安心ください。
ひとつひとつ確認しながら、無理のない形で一緒に進めていきます。
豊明市や近隣で同じようなお悩みがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
この度は片付けトントンにご依頼いただき、ありがとうございました。




