元気なうちの片付けに備え、費用や必要事項を確認する高齢者

遺品整理

元気な今だからこそできる。事前の片付け見積もりと、私が実家整理で学んだこと

最近、少しずつ増えているご相談があります。

それは、亡くなった後の遺品整理ではなく、元気なうちに行う「事前の片付け見積もり」です。

先日も、ある会社の社長様からお問い合わせをいただきました。

「今年定年退職した社員がいるのですが、身寄りがいないので、この先のことが心配です。本人はまだ元気ですが、今の状態で部屋をすべて片付けると、どれくらいかかるか見てもらえませんか」

もちろん、事前のお見積もりも可能です。

現時点での荷物の量や作業内容を確認し、おおよその費用をお伝えすることになりました。

退職した社員さんを気にかける社長様

お見積もり当日は、社長様とご本人様のお二人に立ち会っていただきました。

話を聞くと、社長様はこれまでにも、身寄りの少ない社員さんの遺品整理や、亡くなった後の手続きを手伝ったことがあるそうです。

長年勤めてくれた社員さんを、退職後も気にかけている。

なかなかできることではありません。

「これから年金生活になるから、できるだけ安くしてあげたってね(笑)」

そうお願いされながら、部屋の中を確認していきました。

大型家具はいくつかありましたが、もともと多くの物を持たない生活をされているようでした。

ご本人様も、

「細かい物やタンスの中身は、これから少しずつ自分で整理していく」

と話されていました。

事前に細かな物を減らしておけば、作業当日の分別量が少なくなります。結果として、作業時間や費用を抑えられる可能性もあります。

部屋全体の物量を確認し、費用を計算しようとしていたとき、社長様からもう一つお願いされました。

「最後の退去立ち会いも、できればやってあげてほしい」

退去立ち会いであれば対応できるだろうと思い、その場では「大丈夫です」とお答えしました。

しかし、片付け以外の部分を確認していくと、いくつかの課題が見えてきました。

片付けだけでは終わらない

電気やガスなどの解約について確認すると、ご本人様は契約している会社を把握されていませんでした。

電気・ガス・水道などの契約書類や通帳を整理している様子

契約先が分からなければ、解約方法を調べることもできません。

そこで、請求書や支払い明細などが届いたときに連絡していただき、一緒に確認することにしました。

団地の管理会社にも連絡をして退去時の注意事項は教えてもらえましたが、敷金やクリーニング費用など、個別の契約内容については本人でなければ回答できないとのことでした。

個人情報なので、当然の対応です。

このとき改めて感じたのは、住まいを片付けて退去するためには、物を運び出すだけでは不十分だということです。

電気、ガス、水道、電話、保険、家賃、管理会社との契約。

人によっては不動産や相続の問題も出てきます。

元気なうちに契約先や書類の保管場所を確認しておくだけでも、後の負担は大きく変わる。

あらためてそう思いました。

私自身も、何の準備もできていませんでした

実は私自身も、親のことや実家の片付けで、準備の大切さを痛感した一人です。

私は大阪出身で、父とは離れて暮らしていました。

連絡を取るのは年に一度ほど。家族を連れて帰省しても、滞在するのは二時間程度でした。

帰省するたびに、父の体調が悪そうだと感じることはありました。

「病院に行った方がいい」

そう言っても、父は、

「病院は好かん。大丈夫や」

と言うばかりでした。

何度も同じやり取りをするうちに、私も強く勧めなくなってしまいました。

今になって思えば、もっと強引にでも病院へ連れて行くべきだったと思います。

しばらくして、母から「父が倒れて入院した」と連絡がありました。

原因は脳梗塞でした。

右手と右足をうまく動かせなくなり、リハビリのための病院に入院しました。

数か月後、病院から連絡がありました。

「ここは長期間入院するための施設ではないため、転院先を探してください」

そこから、介護施設と転院先を慌てて探し始めました。

父を大阪から愛知へ移動させるには、車いすやストレッチャーに対応した介護タクシーが必要でした。正確な金額は覚えていませんが、費用は十万円を超えていたと思います。

介護施設についても、調べて初めて分かったことばかりでした。

・入居待ちの人が大勢いること。
・月々の費用が想像以上にかかること。
・施設によって受けられる介護の内容が違うこと。

私は仕事をしながら介護を続けることが難しかったため、父の年金の範囲内で入居でき、介護を受けられる施設を探しました。

幸い、数か月後に受け入れてくれる施設が見つかりました。

しかし、問題はそれだけではありませんでした。

母を大阪に一人で残しておくことも心配だったため、愛知へ来てもらい、大阪の実家を処分することになったのです。

実家の片付けは、想像以上に大変でした

誰も住まなくなった家は、遅かれ早かれ誰かが片付けなければなりません。

片付けは私の得意とする分野なので、自分でできるところまでやってみようと考えました。

調べてみると、実家の地域には大量のごみも家の前まで出せば、市の回収業者がトラックで運んでくれるという制度がありました。

地域によって名称や条件は異なりますが、こうした自治体のサービスを利用できれば、処分費用を抑えられる場合があります。

まずは一日だけ、一人で片付けを試してみることにしました。

作業を始めると、子どもの頃の服や教科書、大量の写真などが次々と出てきました。

「どうして、まだこれが残っているんだろう」

そう思う物ばかりです。

一方で、昔のゲームやおもちゃの中には、売却できそうな物もありました。それらを売却したところ、二万円を超える金額になりました。

また、亡くなった祖父母の物と思われる指輪やネックレスなども見つかりました。

これらは、金の価格が上がっていたこともあって、二十六万円ほどになりました。

実家の片付けで見つかった古い写真、貴金属、ゲーム機などの品々

生前整理や遺品整理を業者に依頼するときは、貴金属、現金、通帳、印鑑、権利書、思い出の品などについて、できる範囲で事前に確認しておくことをおすすめします。

片付ける物と残す物を明確にしておけば、処分後の行き違いも防ぎやすくなります。

一人でできる片付けには限界がある

実家は二階建てで、二階には大きなタンスがありました。

家は解体することになっていたので、階段や壁に傷が付いても構わないと思い、一人で下ろせないか試してみました。

狭い階段で大型タンスを一人で運ぼうとするスタッフの危険な様子

できなくはなさそうでしたが、一歩間違えればタンスの下敷きです。

大型家具の階段作業は、慣れている人でも本当に危険なので絶対にやらないでくださいね。

片付けは、一人でできる範囲にはやはり限界があります。

最終的には三人で作業し、庭へ運び出す作業だけで約十四時間かかりました。現地までの移動や休憩などを含めると、私の拘束時間は合計で約二十六時間になりました。

知人への謝礼、交通費、レンタカー代、食事代、処分費などを合わせ、片付けの費用は十二万円ほどでした。

自分たちで作業すれば、業者へ依頼するより安くなることはあります。

しかし、時間、体力、けがの危険、遠方までの交通費を含めると、必ずしもお得になるとは限りません。

何を自分たちで行い、何を業者へ任せるのか。

作業を始める前に整理しておくことが大切です。

家が空になっても、まだ終わりではありません

実家の片付けが終わると、次は家の売却です。

ところが、実家の名義は亡くなった祖父と父のままになっていました。

売却するためには相続関係を整理し、必要な戸籍などを集め、名義を変更しなければなりません。

祖父は生前に何度も引っ越していたため、必要な書類を複数の役所から取り寄せる必要がありました。

自分で手続きすることもできますが、時間と労力を考え、司法書士さんにお願いしました。

幸い、父本人の意思を確認できる状態だったため、必要な手続きを進め、無事に家を売却することができました。

不動産の売却では、所有者本人の意思確認が重要になります。

認知症などによって意思確認が難しくなってからでは、希望どおりに手続きを進められないこともあります。

片付けだけでなく、不動産の名義や重要書類についても、元気なうちに確認しておく必要があると実感しました。

元気なうちの相談は、早すぎることではありません

私の実家整理では、問題が起きるたびに調べ、その都度判断が必要となりました。

父の転院、介護施設探し、母の引っ越し、実家の片付け、不用品の処分、貴重品の売却、不動産の名義変更と売却――

事前に少しでも調べていれば、もっと落ち着いて進められたと思います。

だからこそ、今回の社長様のように、ご本人が元気な段階で片付けの費用や流れを確認しておくことには、大きな意味があります。

見積もりを取ったからといって、すぐに依頼をする必要はありません。

✅今の荷物量なら、どれくらいの費用がかかるのか。
✅自分で減らしておいた方がよい物は何か。
✅残しておくべき書類や貴重品は何か。
✅自治体の回収サービスは使えるのか。
✅退去までに何を確認しておけばよいのか。

これらを知っておくだけでも、将来の不安は小さくなります。

物を片付けるだけではなく、その後まで考えます

私は、自分自身が親の介護や実家の片付けで困った経験があります。

何から始めればよいか分からない不安も、遠方の家を片付ける大変さも、後から次々と問題が出てくる疲れも経験しました。

だから、単に荷物の量を見て金額を出すだけではなく、その方が今後どのようなことで困りそうなのかまで考えたいと思っています。

すべてを業者に任せることだけが正解ではありません。

ご本人やご家族でできること、自治体の制度を利用できること、業者に任せた方が安全なことを整理し、できるだけ負担の少ない方法を一緒に考えることが大切です。

「まだ元気だから、相談するのは早い」

そんなことありません。むしろ、元気な今だからこそ、自分の希望を伝え、自分で判断し、準備することができます。

ご本人からはもちろん、ご家族、勤務先の方などからのご相談でも構いません。

片付ける時期が決まっていなくても、まずは現在の荷物量と、必要になりそうな費用を知るところから始めてみませんか?

何を聞けばよいのか分からないという段階でも大丈夫です。

将来の不安を一つずつ整理するつもりで、お気軽にご連絡ください。

笑顔の営業マン岡本の画像

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もちろん現地確認も、無料で行っています。

遺品整理サービスページ

※掲載している画像は、実際の現場写真ではなく、記事内容をもとに作成したイメージ画像です。

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