ゴミ屋敷や汚部屋のようになってしまうと、片付けには、かなりの手間と時間がかかりますから、途中で挫折してしまいがちです。また、一旦は綺麗にすることができたとしても、片付けるのをやめればリバウンドしてしまうかもしれません。
つまり、綺麗なお部屋を維持するためには、一生片付け続けなければいけないということですね。なんだか面倒くさいな、という気持ちにもなってしまいます。
そこで、まずは人生の中で「片付けが占めるウエイト」はいったいどのくらいなのか、から調べてみました。
https://ja.myecom.net/german/blog/2013/11633/
Ordnung ist das halbe Leben.(…aber die andere Hälfte ist schöner)
人生の半分は整理整頓である(けれども、他の残っている半分の方が楽しい)
え、いくらなんでも、半分は多すぎだろ!と思ったら・・・
安定した生活を送るためには落ち着きが必要です。そのためには、モノの整理整頓だけでなく、仕事や家事、友達との約束など時間の整理整頓(タイムマネジメント)をしていないと人生はカオスになってしまいます。
つまり、モノの整理整頓だけでなく、コトの整理整頓も含んでいるのですね。それなら、なんとなく納得です。
でも、なんだかめんどい!
そこで、今回は「小さな習慣」という本を参考に、片付けを習慣にする方法、めんどい気持ちを少しでも減らす方法について考えてみました。
小さな習慣 スティーヴン・ガイズ(著), 田口 未和(翻訳)
誓いの達成率は、とんでもなく低い
新年を迎えた時、誓いというか抱負を立てる方も多いと思いますが、その達成率は、なんと、たったの8パーセントしかないそうです。
皆さんの達成率は、どのくらいですか?
私の場合は、元旦からお酒を飲んでグダグダしていると、あっという間にお正月は過ぎ去り、抱負を立てたことすら覚えていないという情けない状況で、恥ずかしながら0パーセントに近いです。
・・・それにしても、何か誓いを立てても、それを達成できる確率って、思ったよりもずっと低いんですね。
これは、たぶん「散らかった部屋を片付けよう」と誓いを立てた場合も同じです。挫折してしまっているとしても、誓いの達成率のデータから見れば、実は多数派なんです。落ち込む必要はありません。
気を取り直して、対策を考えていきましょう!
なぜ、誓いの達成率が低いのか
著者のスティーヴン・ガイズさんは、自分がフィットネスで失敗した原因について、こう語っています。
自分が掲げるフィットネスの目標を達成するために、この先どれだけ多くの時間や努力が必要になるのだろうと思うと、そのあまりに大変な道のりに圧倒されてしまったのです。
まさにそのとおり!
ゴールまでの大変な道のりを思い描いてしまうことで、勇気をくじかれ、一歩も踏み出せないのはあるあるです。私も、何度も何度も経験しました。
ましてや、たくさんのゴミや物がお部屋にあふれているのであれば、ゴールまでのあまりに大変な道のりに圧倒されてしまい、一歩を踏み出せないとしても、なんの不思議もありません。
それを乗り越えるには、何か工夫が必要です。
モチベーションに頼らない
私達は、何か目標を達成しようとする時、モチベーションに頼ろうとします。
たとえば、英語をしゃべれたら世界が広がるとか、ダイエットしたらモテるはずだとか、達成したら起こるであろう素晴らしいことを心の支えにしたら、頑張ることができるのではないか、と思うわけです。
しかし、スティーヴン・ガイズさんは、モチベーションに頼る危険性をこう述べています。
「 モチベーションを上げる」方法を選ぶと、(中略)それは、ほかの何よりそれをしたいと思う強いモチベーションでなければなりません。
ほかの何よりも強いモチベーションでないと、行動できない・・・言われてみれば、まったくそのとおりです。
汚部屋を片付けてステキな暮らしをしたいというモチベーションが、今、スマホでYouTubeを見て楽しみたいという欲望に勝てるかどうか。
残念ながら、勝てる人はかなり少数でしょう。
これが、誓いの達成率が低い原因なのかもしれません。
「小さな習慣」が人生を変える
少しずつでも良い習慣を増やすことができれば、人生がより良い方向に向かっていきそうな予感はします。
デューク大学の研究によれば、私たちの行動の約45パーセントは習慣で成り立っているそうです。
なんと、人生の約半分が習慣的な行動なんですね。
見方を変えれば、うまく習慣をコントロールすれば、人生の約半分を思いのままに操れるということ?
それって、なんだかすごくないですか?
また、習慣が増えることで、心理的な負荷が減り、あまり悩まずに行動できるようになります。
心理学者のジェレミー・ディーンは、著書「良い習慣、悪い習慣」の中で、「習慣的行動は不思議なほど無感情におこなわれる」と述べています。
「めんどい」という気持ちも、ずいぶん減るはずです。これも、習慣の良いところでしょう。
でも、良い習慣を身につけるのって、本当に難しい。 いったいどうしたら良いのでしょうか?
小さな習慣の基本は、こんなに簡単でいいの? と思うくらいの課題を自分に与え、それをほんのわずかな意志の力を使って実行するというものです。(中略)
小さな習慣を使えば、驚くほど大きな成果が得られます。まず、小さな課題をこなしたあとに、ほとんどいつも”おまけ”でもっと多くをこなせます。(中略)
そして、小さな習慣として始めた行動は徐々に生活の一部になっていきます。(中略)そうなれば、”おまけ”を加えるのも楽になり、やがて小さな習慣から大きな習慣へと成長するでしょう。
十分に小さな習慣なら失敗するはずがないし、続けていけば、知らず知らずのうちに意志の力も強化され、さらに大きな習慣に成長させていくことができるという理屈です。
仕事で汚部屋の片付けにお邪魔すると、よく「片付け本」が出てきます。
それも悪くはないのですが、こういった習慣化に関する本を読んでみるのも案外いいかもしれない、とも思ったのでした。
片付けを習慣化するための「小さな習慣」の考え方
本の内容をアレンジし、片付けの「小さな習慣」を設定する練習をしてみます。
大切なのは、どんなに疲れていても、必ず毎日実行できる小さな習慣にすべきだということで、その案が浮かんだら読み上げてみて、自分でも笑っちゃうくらいが良いそうです。
こんな感じでは、どうでしょうか?
「可燃ゴミを、ひとつかみゴミ袋に入れる」
目標が小さすぎますか?
でも、十分に小さな習慣なら、できない理由を探してあれこれ悩むより、やってしまった方が断然気が楽です。
そして、それが継続できれば、達成感を感じることができますし、習慣化にもつながります。
可燃ゴミを「ひとつかみ」ゴミ袋に入れた後、おまけで、もうひとつかみ、ふたつかみと入れても全然問題ありません。ただ、どんなに疲れている時でも最低「ひとつかみ」は守ります。
最初の一歩を踏み出すことができれば、可能性は大きく広がっていきます。
次は、いつそれを実行するか決めておきましょう。
・夕ご飯が済んだら「可燃ゴミを、ひとつかみゴミ袋に入れる」
・夜、お風呂に入る前に「可燃ゴミを、ひとつかみゴミ袋に入れる」
・朝起きたらすぐに「可燃ゴミを、ひとつかみゴミ袋に入れる」
こんな感じで、何かの行動と結び付けておくと、忘れずに継続できる可能性が高まります。
そうそう、大切なことを忘れていました。ゴミ袋に詰めたら、ゴミ出しをしなければいけません。
たとえば・・・
火曜日と金曜日は、朝起きたらすぐに可燃のゴミ出しをする(ゴミ出しするほどの量がゴミ袋に詰まってなくても、ゴミステーションには行ってくる)
まずは、こんな感じで始めてみれば、案外うまくいくかもしれません。
「小さな習慣」が決まったら、すぐに実行し、達成の様子をカレンダーなどで可視化しましょう。
・・・
私は、試してみる価値がありそうだと思いましたが、皆さんはどう思われたでしょうか?
スティーヴン・ガイズさんの言葉を、もう少しご紹介します。
小さな習慣は、自分を信じるためのトレーニングでもあるのです。
大きな進歩を遂げたくて仕方がないという時には、そのエネルギーを小さな目標をこなしたあとの”おまけ”に使ってください。大きな目標は紙の上ではすばらしく見えますが、重要なのは行動だけです。目を見張るような目標を掲げて、あとで失敗してばつの悪い思いをする大勢の仲間入りをする代わりに、ばつの悪い目標を掲げて圧倒的な成果を上げる人になってください。
「可燃ゴミを、ひとつかみゴミ袋に入れる」
いかがですか?
それに、「小さな習慣は、自分を信じるためのトレーニング」って、なんだかステキだと思いませんか?
・・・
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