片付けトントンは愛知県で片付けの仕事をしていますが、東京や大阪などにお住まいの方からも、「提携業者はありませんか?」といったお問い合わせをいただくことがあります。
残念ながら提携している業者はなく、業者の選び方を電話やメールで詳しくお話しするのもなかなか難しいので、「業者選びの方法」についてまとめてみました。
また、この記事の最後では、「片付け・掃除業者の選び方_チェックリスト」をダウンロードしていただけます。
1、業者選びを慎重にしていただきたい理由
片付けや不用品回収の業者って、なんだか怪しいイメージが漂っているような気がしますが、その一番の原因は、悪質業者の存在です。
埼玉県のホームページには、こんな事例が掲載されていました。
「見積もり無料」のチラシを見て廃品回収業者に連絡して来てもらった。自転車とテーブルセットの処分を依頼したが、更に業者は物置にある他の物品を物色し、「これは使えないし、邪魔だろう。」と言いながら次々とトラックに積み込み、見積もり書も渡されず15万円も支払わされてしまった。
遺品整理でもいろいろなトラブルが発生していて、国民生活センターには年間73~114件の相談が寄せられているそうです。
「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」
・見積もりの際にせかされて契約したが、作業が始まらないので解約したい。
・解約を申し出たら高額なキャンセル料を請求された。
・作業時に予定外の料金を請求され、最終的に見積金額の2倍の費用を請求された。
・処分しないようにと頼んだ物を勝手に処分された
これだけでも大変なことですが、こういった業者はゴミを違法に処分している可能性も高く、あとで大きな問題になることも考えられますから、十分な注意が必要です。
片付けトントンをご利用のお客さまの中にも、業者にだまされてしまった方がいらっしゃいました。
この前、別の業者に片付けてもらったが、まったく分別をせず、全部可燃にしていたので、心配になった。
作業が済んで帰っていったと思ったら、少したってからまた戻ってきて、「ゴミ処理場で降ろせなかった。これを処分したければ、追加料金をいただきます」と一方的に置いていってしまった。
本当にひどい話です。
さらには、お部屋の中には、個人情報や大切なものがたくさんあるはずですから、それらが、盗まれたり、捨てられたり、悪用されたりしたら大変です。
片付けの専門業者と名乗っているとは言え、あなたのお部屋に素性のわからない人間を招き入れ、様々なものを触られても大丈夫でしょうか?
ちょっと面倒でも、業者探しにはひと手間かけて、リスクを極限まで減らしましょう!
2、片付け・掃除業者のホームページのチェックポイント
業者のホームページのチェックは必須です。
当然、業者はサービスを良く見せるように作っていますから、うまく見抜いていきましょう。
(1)会社の所在地は?
会社概要、企業情報、運営会社のページなど、所在地や代表者の名前などが書いてあるページを探してみてください。
もしも、所在地すら書いてなかったら、その業者はやめた方が無難ですし、書いてあったとしても、とんでもない場所が登録されている場合もありますから、注意が必要です。
念のため、Googleマップなどで確認してください。
ストリートビューにすれば、よりリアルです。
(2)許可情報は?
片付けや掃除の作業そのものには許可は必要ありませんが、ゴミの処分、不用品の買い取りには許可が必要です。
【ゴミの処分、不用品の買い取りに必要な許可】
一般廃棄物収集運搬許可:家庭から発生するゴミを業者が処分する場合、その市町村の一般廃棄物収集運搬許可が必要です。産業廃棄物の許可では処分できません。一般廃棄物収集運搬の許可を持っていない場合、許可業者と提携して作業を行うのならば大丈夫です。
古物商許可:不用品の買い取りをする場合、古物商許可が必要です。
産業廃棄物収集運搬許可は、事務所や工場から発生するゴミを運搬するために必要な許可ですから、通常、一般のご家庭には関係ありません。
「産業廃棄物の許可があるから大丈夫」と書いてある業者は、ちょっと怪しいかもしれません。
(3)資格は?
大工さんと同じで、片付けや掃除の仕事をするのに資格は必要ありません。腕が良いかどうかが大切です。
資格の中にはスキルを上げるために効果的なものもあれば、箔を付けるために、自分が儲けるためだけに作られた残念な資格もあります。
今回、あらためていろいろな業者さんのホームページを見ましたが、実力がある業者さんほど、資格に関して淡白な書き方をしているように感じました。
スキルのあるなしは、むしろ、実績が書いてあるページを見た方がわかりやすいのではないかと思います。
(4)料金の設定方法は?
片付け・掃除料金は、処分する物の量や種類、お部屋の汚れ具合や臭いの強さ、などによって大きく変わります。
もう少し具体的に言うと、「料金=人件費+車両費+ゴミの処理費+諸経費ー買取金額」といった感じです。
「積み放題」に注意
処分する物が少量ならば、お電話などで見積もり金額をお伝えすることは可能ですが、たくさんの物がある場合は、実際に見せていただかないと正確な料金を出すのは難しいです。
電化製品のように定価を表示できるものではないんですね。
しかし、いろいろな業者のホームページを覗いてみると、「軽トラ積み放題プラン○○○円、2トン車積み放題プラン○○○円」などと、あたかも定価があるように演出したものを見かけます。
積み放題とは、いったい誰が積むのでしょうか?
まあ、トラックには、たぶん業者が積むでしょうが、誰がゴミを分別して、誰がトラックまで運搬するのか、それもあいまいなケースが多いのです。その時になって、玄関先まで出してくださいと言われても、なんの不思議もありません。
それに、こういった業者さんも、たくさん処分する物がある場合は、見積もりをしてから金額を出しているのではないかと思います。
「積み放題」は、見積もりまでもっていくための誘導にすぎないのではないかと、ちょっぴり疑っています。
「激安」に注意
同じテレビ、同じ冷蔵庫なら最安値のお店を探してみるのは正解です。
しかし、片付けや掃除の場合は、ゴミの量や種類、掃除はどのレベルか、整理収納は必要か、など条件によって料金が変わります。
同レベルのサービスなら安い方がいいに決まっていますが、値段だけで決めると、大切なものを捨てられたり、希望する仕上がりにならなかったり、追加請求があったりして、後悔することになるかもしれません。
十分にお気をつけください。
料金の目安表は?
ゴミ屋敷の片付けを例にとってみると、ほとんどの業者のホームページには「70,000円〜」などと書いてあります。
ゴミ屋敷の場合、お部屋の状態によって金額がかなり変わってしまいますから、ある程度は止むを得ないかなと思いますが、もう少し詳しく書いてある方がいいですよね。
【片付けトントンの料金の目安表】※床に積もったゴミの高さによって金額が変わります。
[table id=44 /]
詳しく書いてあればあるほど、信頼性は高まります。
(5)片付け事例ページは?
事例ページなどに、料金、ビフォーアフター、作業の様子、お客さまの声などが詳しく書いてあれば、とてもわかりやすいです。
料金の目安表よりも、事例ページの方が金額の目安がつけやすいかもしれません。
【片付け事例ページのチェックポイント】
- ウソはなさそうか
- お客さまに寄り添っているか
- アフター写真を見て、仕上がり具合に問題がないか
- 料金は、まあまあ妥当だと思うか
(6)ブログは?
ブログは、業者が自分で書くか、外注に書いてもらっているかのどちらかです。
外注に頼む業者がいけないということではありませんが、業者が自分で書いているブログの方が迫力がありますね。
【ブログのチェックポイント】
- 役に立つか
- 背中を押してくれるか
- 自分のサービスに情熱を持っているか
ブログは意外に有効なチェックポイントです。
3、電話問合せ時のチェックポイント
業者に電話で問い合わせをする時、特に注意すべきポイントについてお話します。
【電話問合せ時のチェックポイント】
- 見積もりを無理強いしない
- 電話と写真で概算見積もりが出せる
- 説明がわかりやすく親切
中には見積もりが有料の業者もいるようです。念のため無料であることを確認してください。
4、見積もり時のチェックポイント
一番気になるのは見積もり金額だと思いますが、金額の高い安いだけに気を取られず、次の点に注意してください。
(1)適切な質問をしてくれる?
あなたがどんな作業をして欲しいと思っているのかを事前にお聞きしないと、見積もりは出せません。
ちゃんとした業者なら、黙っていても必要なことは聞いてくれるはずです。
【見積もりでお聞きすること(例)】
- 処分するもの
- 売りたいもの、探し出すもの、取っておくもの
- 掃除のレベル
- 消臭や除菌などのご希望
もし聞かれなかったとしたら、どんな結果になるか不安です。
また、大切そうなものが出てきたら取っておいて欲しい、捨てていいか判断に迷ったら必ず聞いて欲しい、などの要望も伝えておいてください。
(2)見積書の項目は?
見積書にどんな項目が並んでいるかをチェックしてください。
たとえば、「片付け一式」などと1行しかない場合は、大雑把すぎです。
このくらいは取れるだろうと、上乗せしている可能性がないとは言えません。
少なくとも、作業費(何人何時間)、ゴミや資源の運搬・処理費、リサイクル家電の処理費あたりが書いてなかったら、「どうやって見積もりを出したの」と突っ込みたくなります。
アバウトすぎる見積書には注意してください。
(3)追加請求のありなしは?
作業が終わった後、思ったよりも多かったなどと、追加請求されては大変です。追加請求のありなしは、必ず確認してください。
追加請求の条件は、契約書等に書いてあるべき内容です。
(4)キャンセル時の連絡先、取り扱いは?
キャンセルしようと思って連絡しても、驚いたことに一向に電話に出ないという事例もあるそうです。確実に連絡の取れる電話番号、キャンセル料が発生する条件を確認しておいてください。
これも、契約書等に書いておいて欲しい内容です。
(5)損害賠償の条件は?
スタッフが、建物や家具などを傷つけた場合の保証も確認しておいてください。
損害賠償保険に入っていても、対応してくれなければ話になりません。契約書等に書いておいてもらいましょう。
(6)営業スタッフは感じが良い?
見積もりに来た営業スタッフの感じが良いかどうかも、大切なチェックポイントです。
【営業スタッフのチェックポイント】
- お客さまの家であることを十分に配慮した行動を取っている
- 説明がわかりやすく、親身になって相談に乗ってくれる
- 誠実そうな感じ
仮にゴミ屋敷のようになっていたとしても、何の断りもなく土足で入ってくるようでは、営業失格です。
(7)見積もり金額は妥当だと思う?
安すぎる場合は、「安かろう悪かろう」かもしれません。高すぎても、もちろんいけません。
作業内容や品質に見合う金額であるかどうかを考えてみてください。
5、総合評価は?
チェックしていただきたいのは、大きく分けて次の3項目です。
- 片付け・掃除業者のホームページのチェック
- 電話問合せ時のチェック
- 見積もり時のチェック
以上を総合的に判断すれば、良い業者選びができるのではないかと思います。
6、ダウンロード「片付け・掃除業者の選び方_チェックリスト」
ここまでお読みいただいた内容を、チェックリストにしました。
あなたのプライバシーを守るために、ぼったくられないために、品質の良いサービスを適正な価格でやってもらうために、一手間かけていただきたいと思います。
また、業者を呼ぶのは恥ずかしい、抵抗があると思っている方のために、全然心配することはない理由を記事にしました。